第75期名人戦第1局

いよいよ4月。そして名人戦が始まりました。

今期は久しぶり(21年振り)の20代対決。ちなみに直近(前回)の20代対決は「羽生善治名人対森内俊之八段」。時代を感じます。。

第1局は、予想通り?の横歩取りに。しかし後手番の稲葉八段が中座飛車を採用。これはある意味意外な展開でした。対して佐藤名人はゆっくり受けて立つのかと思ったのですが、封じ手は「▲2五歩」。積極的な手を選択。結局この後の▲3六飛、そして47手目の▲2五飛が決定的な悪手だったようで、その後は一方的な展開のまま挑戦者・稲葉八段の先勝となりました。

自分が「横歩取り」を指さないので細かい駆け引きはよくわからないのですが、この戦型は基本的に短手数、しかもはまると一方的になる傾向が強いと思います。二日制の名人戦で、夜戦を期待していた人にとっては早い終局で残念だったかと思いますが、まあ仕方ないのかとも感じました。

一部では「横歩取りシリーズ」との予想もある今季の名人戦。次局は佐藤名人が後手番で、「作戦の主導権を握る手番」とも言えます。個人的には難解すぎてついていけない「横歩取り」ですが、とはいえこの二人の対局で「対抗型」はないでしょうから、どうせなら「横歩取りならどっちが強いかガチンコ勝負」というのも見てみたい気もします。

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名人vsコンピューター

昨日は「第2期電王戦」第一局・佐藤天彦名人(叡王)vsPONANZA戦が行われました。

先手番・PONANZAの初手「3八金」!には正直驚きました。解説の木村一基八段の言う通り「マイナスしかない手」だったと思うのですが、同時に「これを咎められるか」がこの対局の焦点になってしまった気がして、その時点で「駆け引きでも人間の負け?」という気分で序盤を見ていました。

何か後手から手はなかったのか?は後日の検証番組で確認してみたいと思いますが、その後はPONANZAの初手を咎めるような展開にはならず、徐々に先手が良くなり、結局終盤の入り口という局面で佐藤天彦名人の投了となりました。

将棋ファン、それも「電王戦」の経緯を知っている将棋ファンならもはや「コンピュータソフト」は人(プロ)より強い、というのは受け入れなければいけない事実と感じていると思います。ただ「事前貸し出しOK」と「PCスペックの制限」がある中で果たして一矢報いることができるのか、いや、なんとか一つ返して欲しい、というのが多くの方の「思い」ではないでしょうか。

今回の対局ではそう言った工夫なく、ある意味(相撲に例えるなら)「がっぷり四つできっちり寄り切られた」、という印象。次は佐藤名人(叡王)が先手番です。何か策があるのかどうか、良い意味で!期待したいと思います。

イベントは別にして?おそらく次局が「プロ棋士vsコンピューター」の最後の一戦。結果はどうであれ、白熱した展開になってほしいものです。

第67期王将戦一次予選・加藤一二三九段vs黒沢怜生五段

現在残っている各棋戦が終了した時点で引退することが決まっている加藤一二三九段に、若手の黒沢怜生五段が挑んだ一局。黒沢五段のノーマル四間飛車に加藤九段が「伝家の宝刀」棒銀で対抗しました。

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中盤入り口では棒銀が順調にいっているようでしたが、振り飛車側が△1五角と出た局面。

8筋で香の重ね打ちを狙うこの手が好手だったよう。その後▲3六香△2六歩▲4五歩△2七銀▲4八飛△3六銀成と進んでほぼ勝負あり。振り飛車側の理想的な攻撃が炸裂した一局でした。現在振り飛車党の私としては、棒銀対策としてぜひお手本にしたい内容です。

一方敗れた加藤九段は、おそらく残りは竜王戦のみ。加藤九段に「頑張って」なんて言える立場ではありませんが、最後の最後まで可能なかぎり追って観たいと思います。

局面図作成:Shogipic